かなり大元の部分に触れていきます。
流通の勉強をしたこと無い方でも、「家電量販店は小売店!」という事をご存じの方は多いと思います。
もちろん、商品には原価がありますし、原価割れで販売をしてしまうと通常は家電量販店が損をしてしまいます。
しかしながら、一部の商品、一部の型式等はかなり値引きをして販売をしている実態があります。
それが次項で説明する概念です。
家電量販店はインセンティブで食べている
日本の主要家電メーカーは製品の質が高く、白物家電、生活家電に至っては性能が技術革新でも起こらない限り、頭打ちになってきています。
よって多少の人気の違いはあれど、全く売れないメーカーというのは存在しません。そういったメーカーは既に淘汰されてきています。
なので、どこのメーカーも、そのジャンルでのシェア率(占有率)を気にしています。
メーカーは製品の修理が主な利益です(壊れた際の技術料、部品代等)。
よって、シェア率が高くなればなるほど後々の利益が上がってくるんですね。
近年はここの利益の取り方が極端になりすぎ、直すより買った方が安いという事が多くなってきていますが・・・
ただ、どのメーカーを買っても上記の通り変わらなくなってきているため、家電量販店に謝礼を支払っています。
「うちの製品を今月××台売ってくれれば、達成報酬で○○円お支払します!」
こういった取引が常日頃行われており、この達成報酬(インセンティブ)が家電量販店の原資になっています。
というかこれが無いと家電量販店なんて全て撤退しています。
とてもざっくりとした例
原価15万円の冷蔵庫があります。
これに利益を乗せて20万円で販売しているとした場合、粗利は25%ですね。
しかしながら、メーカーからのインセンティブが
「今月100台売ってくれれば1000万円お支払します!」
となった場合。
100台目の粗利は1005万円、と言うことになります。
100台目の粗利は6700%となります。
数字は極端ですが、80台赤字で販売しても十分に利益が出ると言うことになります。
よって、これがお店のオススメ、店員がオススメしてくる物になります。
つまり、
「原価割れしても販売したい!」
という商品なので、値引きもかなり強めに入れることが出来ます。
お店のオススメ!店員のオススメ!は利益を上げるためにとても重要なファクターです。
もし値引き交渉が行き詰まった場合、「この商品はインセンティブありますか?」等と聞いてみるのも一つかもしれません。